幹線道路、というより都道県道からも離れたところにあり、ひっそりと静かにある日帰り温泉。駐車場も空き地を囲ってあるぐらいな感じで、知らずにいれば通り過ぎてしまいそうだ。小田急線栗平駅から徒歩約10分。新百合ヶ丘駅、鶴川駅からは無料送迎バスが出ている。ところが真っ赤な暖簾をくぐって中に入れば、広々とした空間にまずは足湯が目に入る。温泉エリアとは別なので、待ち合わせや長湯の友を待つにも最適かも。露天は5つの湯、内湯には2つの浴槽がある。
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熱いもぬるいも黒湯が効きそうな露天風呂
野天湯元・湯快爽快くりひらの湯は、源泉から直接引いている黒湯が特徴的な天然温泉。まさにコーヒー色。アメリカンかな。泉質はナトリウム炭酸水素塩温泉だそうだ。黒湯は美肌の湯とも呼ばれるくらい肌がすべすべになるというので、木枯らしで肌の乾燥が気になる季節には、まず何をさておいてもぬる湯にとっぷり浸かりたい。
刺激のない「ぬる湯」は、広々とした岩風呂。開放感がある。わざわざぬるめに設定してあるということで、長く入っていてものぼせることなく、ゆったりした気分になれる。ゆったりのんびりしている先客も多く、あの場所に行きたいなぁと思っても、なかなか空かないのが難点といえば難点? 近所のおかみさんらしき人々が、井戸端会議ならぬ岩風呂会議に花を咲かせている。
微笑ましいっちゃ微笑ましいし、うるさいっちゃ、うるさい。後から来た人が「あら、早いのね」などと言いながら話に加わるところをみれば、近隣の常連客が多い温泉なのではないかと思われる。
ぬる湯を離れ、石の床を転ばないように気を付けてあるけば、そこに大きな岩をごろごろレイアウトした風情のある「あつ湯」がある。温泉の温度は、43℃前後。熱め好みの人のために温度を高めに設定しているとのこと。家の内風呂だと42、3℃のお風呂に入る人も多いようだが、温泉の43℃はかなり熱いのではないだろうか。せっかく来たのだから、ちょっと入ってみようと足を踏み入れたが、ほぼ10秒で出てきてしまった。私は、この温泉は2度目になるが、まだ「あつ湯」にとっぷり浸かっている人を見たことがない。真冬になるといい感じになるのかも。
ひなびた温泉地にでも来たような錯覚をおこす庵湯
あつ湯の横には、小さな小屋のようなものがある。屋根がついているし、露天じゃないじゃんなどと思いながら、ちょっと古びた感じの扉(わざと?)を開けると、そこには銭湯サイズのひのき風呂があった。ひのき風呂といっても、できたてでもなければ檜の香りを楽しむというわけにはいかないが、檜板と大理石のコントラストは、ひなびた湯治場を思わせる雰囲気で、気に入った! 天然温泉「庵湯」には、洗い場もついていて、本当にどこか田舎の温泉にでも来たような気分を味わうことができる。
地味な豊かさがある庵湯の横には、これがまた看板が派手な「信楽壺湯」。ここまで強調する? 信楽焼は、大物作りに向いているといわれる土だそうで、このでっかい壺を特別に作ってもらったとか。石製の壺湯に比べると、ふんだんに湯があふれているからというだけではない、確かに温かみを感じる。一般的に壺湯に入る人はそんなにはいないのではないかと思うが、ここの壺湯はどうやら人気もの。4つある壺から誰かが出ると、すっと誰かが入る。次に入ろうと様子をうかがっている人がいるようだ。私も間隙を縫って入ってみたが、やはり石の壺湯より肌触りがやさしい感じで、落ち着く。眠ってしまっている人も見かけたが、順番を待っている人もいたりするので、適度なところで譲ってください!
眠りたい向きには、「うたた寝之湯」があるし。床は御影石だそうで、石という硬質な物質なのに、柔らかみがある。温かく流れるお湯がよほど気持ちがいいのか、いびき付きで眠っているおばさんを発見。いくらなんでも大の字でいびきはねぇ。周りには誰も人がよりついていなっかたのもいたしかたがないでしょう(笑)
内湯は水曜日にはいろいろな薬湯になる
内湯は、一か所でブクブクと泡が出る仕掛けになっているが、まあ、普通の湯。色も透明。そんなに広くはないが、みんな外の黒湯に行ってしまうので、すいている。湯船独占状態という場合もままあるようだ。片隅に何か袋がぶら下がっていて、「薬湯なんだぁ」と思っていたら、これは水曜日のみの特典らしい。たまたま水曜日に行ったのが、ラッキーだったということ。薬湯は、その日によって、違った種類のものが用意されているようだ。
内湯の向かいにあるのが「座湯」。勢いは弱いが、ジェットバスになっている。どうやら噴出口によって、勢いや角度がことなるのではなかろうか。前の人が出たら、ずりずりと壁際を移動して、気に入った噴出具合のところに腰を落ち着けるのもよさそう。あまり強くないジェット噴流のほうが、ゆったりとリラックスできるかもしれない。
内風呂にはこのほかに「電気風呂」などもあるが、あまり心臓に自信がないのでやめておく。筋肉痛にも効くというが、ストレッチでもしたほうが効くのではないかと。別に電流がびりびりくるわけでもなさそうだけど、健康に自信のない場合は回避したほうがいいような気もする。ちなみに昼間は高齢の方が多いせいか、入っている人を見かけたことがないのだが。
デトックスといえばサウナ+水風呂&岩盤浴
ここのサウナは、段々になっていて、視線は一方向。向かい合わせになって知らない人と目が合っちゃった!などということもなく、くつろげるといえばくつろげる。シアター式というそうだ。高いところへ上がるほど遠赤外線の熱源から遠ざかるので、熱さはやわらぐような気もするが、高いところほど熱は上がってくるということもありそうで、どこに陣取るかは、まあ、好き好きか。
サウナの外には、お決まりの水風呂がある。サウナ+水風呂で新陳代謝を活発にし、お肌もつやつやになるとは言われつつ、利用者はあまり多くない印象を受ける。
あまり暑いのが苦手なら、同じ遠赤外線効果でも岩盤浴のほうがよさそう。熱さを我慢しなくても自然に発汗するのでラクして新陳代謝を高め、大量の汗がでる。これなら減量効果もありそう。まあ、減量に関しては、出てきて水の一杯も飲めば帳消しだけど。でも。代謝を上げることで、日常的に汗もかきやすくなり、健康にはプラス。
ラクして痩せて健康になり、肌もつやつやって? そんなおいしいことは、当然ながら別料金。40分500円。ワンコインなら試してみる価値はあるか。60分700円、80分1,000円。岩盤着、敷きタオル、フェイスタオルは無料で貸してくれる。80分コースならミネラルウォーターもついてくる!
岩盤浴が終わったら、「冷凍ルーム」へ。というが、冷凍っていったい何度なんだろう? 開いた毛穴を引き締め、リフトアップに効果があると言われても、冷凍ルームと言われると、なんだか吊り下がった冷凍マグロなんかを思い浮かべちゃったりするんだけど。まさかね(笑)
月曜日と金曜日(祝日を除く)の9:30~17:00は 女性専用 なので、メンズはご注意。事前に確かめてから行くほうがよさそうだ。月曜日と金曜日の女性専用日には、岩盤浴ヨガも実施されている。時間は10:30から1時間。参加費は、別料金で1回2,000円。マット、タオル、ミネラルウォーター2本付き。岩盤からの遠赤外線とヨガの相乗効果で、美容と健康の一挙両得というわけだが、試したことがないので、効果のほどは保証しかねるけど。
足湯もいいがドクターフィッシュの角質取りはどう?
温泉に入るときには気づかなかったのだけれど、出てきたら、廊下に魚がいた! 足を入れると角質を食べによって来るという、いわゆるドクターフィッシュ。トルコの温泉に住んでいる魚がヒトの角質を食べてくれるというので、トルコやドイツでは医療や美容に一般的に利用されているという話だ。日本でも話題として聞いたことはあったが、見たのは初めて。
37℃程度までの温度のお湯なら生息できるとのことで、クレオパトラも愛用していたというが、魚についばまれても痛くはなく、くすぐったい程度なそうな。なにせこの魚、歯がないそうなので、吸い付くだけ。皮膚のピーリング効果のほかに、マッサージ効果もあるらしい。皮膚病の治療効果もあるというが、ということは、この温かい水槽に皮膚病の人も足を突っ込むのかなぁとか、余計なことを考えてしまって、トライする勇気がでなかった。自分の足に傷がなければ、どうということもなさそうだが。
魚なしの足湯のほうが、ハードルは低い。ここの足湯は、座って談笑というばかりですではなく、手すりにつかまってゆっくり歩くこともできそう。なんとなく、リハビリ病院の歩行訓練装置のような。これのでっかいのでJRAの競馬馬が歩かされているのを見たことがある(笑) 温めながら足を動かすことで、代謝もあがり、老廃物の排出により効果がありそうだけど。もちろんただ足をつけてゆったりするのもOK。じっくり浸かっていると、じんわり汗ばんでくる。
席の独立性が高く、ゆっくり食事ができる
食事処は、温泉旬味「ねむの季」と称し、和風な作りになっている。座敷風とテーブル席があるが、テーブル席は隣のテーブルとの境がしっかりしているので、周囲を気にしないで食事ができるのがいい。ブランド豚肉「おいも豚」を使ったとんかつ定食などが人気。
ただいまダイエット中なので、とんかつはいかがなもの?って感じで試してはみなかったのだけど、広島産カキフライ650円など、温泉の食事処としてはお値段控えめなのもありがたい。わりに辺鄙なところで、周囲にお店も見当たらない感じなので、そのあたりが適正価格なのかも。湯けむりそば膳1,710円というのも試してみたいけれど、こちらはちょっと豪華すぎかな。
食事処から見える中庭がなかなか風情がある。そんなに広々としているわけではないが、いまならちょっと色づき始めた木々などが配してあり、石畳の道をちょっと下駄を鳴らして歩いてみたい気分。昔風の縁があり、座って眺めるのも一興。って、この特等席が、実は喫煙場所になっていたりするのがおもしろい。タバコは外で吸え、吸わない人は外へ出てくるな、って?
入浴料は950円(22時以降750円)だが、「いいふろの日」として設定されている毎月11日と26日は、平日なら650円、土休日でも750円で利用できる。1回あたり850円になる5枚綴りの回数券が4,250円、平日のみの10枚綴り回数券が7500円なので、リピーターになるつもりがあれば、これがお得。私は、たまたま行った日が26日だったので、あらま、安いじゃん!を体験。なので、次に行くときは950円かと思えば、ちょっと足が遠のいたりして(笑)
好みの湯加減で楽しめる。
サウナと寝湯もあって、1日いられる(笑)
店内はそんなに広くないが、そこがいい。
迷わない、どこに何があるかすぐ分かる。
お年寄りに優しいです。
マッサージもエステ、揉みほぐし、アカスリがあり充実してます。
(アカスリはアジア系外国人の方なので、日本語がちょい不安なこともあるが、仕事はしっかりしてます)
男女別々に休み処があるのも良い!!
三角形のクッションがあるから座っても枕にしても良し!!
ただ、外から丸見えなので寝るなら顔にかけるタオル必須(笑)!
整体・リラクゼーションの施設もそこそこ充実
ボディケアの施設としては、整体や骨盤ストレッチなどの身体全体を整えようという施設と、足裏、頭などに特化した施設、アーユルヴェーダを施しリラックスさせることで不調を取り除こうという施設など、さまざまなニーズに応えている。
身体全体のマッサージを求めるなら整体「癒癒」。ふくらはぎをオイルで流すところから始まるホットピローで、身体を温めながらやんわりと押されるのは、快適。20分2,100円~105分10,610円まで、不調具合、疲れ具合によってコースは選択自由、一般的には45分4,700円か65分6,750円ぐらいが選ばれているようだ。
ここにはむくみや冷え性などを対象とした足底マッサージもある。20分2,100円から、60分6,280円まで。どっちも試してみたければ、整体と足底セットで60分6,200円もある。
比較的珍しいのがタイ古式「SARISARI」。インドやスリランカなどで盛んにおこなわれているアーユル・ベーダを源流にもつタイの伝統医学を応用した身体の手入れ方法で、人間が本来持っている自然治癒力を回復させようという施術。60分7,300円。このほかにも全身をトリートメントするバリ式エステ「Cantik」やおなじみ韓国式アカスリ「美肌処」など、ボディケアもなかなかにインターナショナルである。
まとめ
そんなに規模の大きい温泉ではないが、なんとなくゆったり感がただよっていて、また来たいと思わせる風情。その時々に、いろいろなイベントを行っていたり、クーポン券の配布などもあり、地域密着型の経営がうかがわれる。常連客が多いように見受けられ、ご近所さんの憩いの場としての役割を果たしているようだ。
経営母体の湯快リゾートは、宿泊を伴う温泉旅行の温泉旅館も多数持っている会社なので、それぞれの立地やスタイルによる温泉の楽しませ方を知っているのかもしれない。
湯快爽快くりひら温泉は、湯船の種類は多くはないが、ゲームセンターなどの余計なものがなくて、純粋に〝湯”を楽しむには、なかなかよろしい、と思う。送迎バスは、色が真っ赤でなかなか派手ですが。
湯加減がちょうどよいという感じで、長湯ができるのがいい。岩風呂には浅いところや深めなところ、岩陰などがあり、自分好みのところでじっくり湯を楽しめる。温泉施設もうるさい所や派手なところがなく、ここは遊び場ではなく、湯どころなのだと実感できる
店舗情報・アクセス・料金・営業日・営業時間
- 店舗名
- 湯快爽快くりひら
- レビュー評価
- ★★★☆☆(3)
- アクセス
- 〒215-0023
神奈川県川崎市麻生区片平8丁目2−1
- 電話番号
- 044-989-2644
- 営業時間
- 9:00~深夜0:00(金・土・祝前日深夜1:00)
- 定休日
- 年中無休(臨時休館日あり)
- 平日大人料金
- 950円
- 休日大人料金
- 1,100
- 料金メモ
- 大人(22時以降) 750円
- 【お店から】
- 「下駄履きで出かけられる湯治場」として、どうぞいつでもお気軽に、本物の温泉の持つ「自然の治癒力」をご堪能ください。※当施設の温泉は加温・循環併用です。
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