都内に日帰りできる温泉宿があるらしいー。口コミでたどり着いた「かんぽの宿 青梅」は、湯治感あふれる良泉だった!食事は並みでもヤマメ塩焼きに感動!東京の良さを再発見!
ここでサクッと「かんぽの宿青梅」を紹介!
かんぽの宿青梅
青梅市の多摩川河畔に立つ7階建て。展望浴場「鮎美(あゆみ)の湯」は、PH10.0の強アルカリ泉。加温・加水・循環ろ過。コロナ対応で、食事セットのみ1600円より受付。日帰り入浴は、10時30分〜15時で対応中
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ガイドブック未掲載も口コミで集客
世間には、る○ぶやま○ぷるをはじめとする日帰り温泉ガイドブックが出回っていて、スパ銭ファンの聖書になった感があります。
かくいう私、貧乏ライターくろたまも、愛用者の一人。自家源泉か加温、加水、かけ流しの有無まで書いてあるので、そりゃ便利ですよね〜
今回訪ねた「かんぽの宿青梅」は、妻が会合で食事をしてきて、「食事はフツーだったけど、温泉もあるらしいわよ〜」
何、温泉?ガイドブックには載っていないんだけど?というわけで、さっそく検索することに。
ありました公式サイト。最初に、宿泊者用の情報が目に入ります。
「ふぐちり鍋」のついた「東京会席プラン」が12000円〜。さらに、アワビのお造りの付いたグレードアップメニューが18500円〜。とどめは、伊勢海老の姿造りの付いたプレミアムメニューが23000円〜
…ちょっと、貧乏ライターくろたまには遠い世界だ…「かんぽの宿」って昔は公共施設だったよね…
よく見ると、お手頃価格の「素泊りプラン」6500円〜があった!泊まりでこの値段なら、まあ相場かなあ。でもわざわざ青梅で泊まるまでもないなあ。
おや?よく見ると日帰りのタブがある。
「新型コロナウイルス感染拡大予防のため、当面の間、ご入浴のみの利用は休止させていただき、下記のセットプランのみの販売とさせていただきます。また、昼の部のみの営業とさせていただきます」
ランチセットプラン(ご入浴+レストランでのお食事)2000円
喫茶割引券セットプラン(ご入浴+喫茶での600円分利用券)1600円
個室デイユースセットプラン(ご入浴+個室休憩利用)3000円
食事付きでこの値段なら、まあフツーかな…というわけで、リサーチすることにしました。
新宿から60分、秘境感あふれる青梅
立川までは中央線。そこから青梅線に乗り継いで奥多摩の山あいにある青梅駅に到着。
昭和レトロで売り出している街だけあり、駅の地下通路には、ノスタルジックな映画の看板が飾ってあります。
青梅駅はレトロステーションと呼ばれており、市内には「昭和レトロ三館」として、「昭和幻燈館」「昭和レトロ商品博物館」そして有名な「青梅赤塚不二夫会館」があって観光名所となっていましたが…
観光案内所の話では、赤塚不二夫会館は閉館してしまったとのこと。
「おそ松くん」「天才バカボン」でも、もう客が呼べないのか…昭和は遠くなったなあ…
とりあえず、駅前のバス乗り場からかんぽの宿を目指すことにします。青梅駅前にはバス停が一つだけ。一時間に一本程度の都バス「駒木町循環」で向かいます。
途中、多摩川に掛かる橋を渡り、旅情が盛り上がります。
バスに揺られること約10分ほど。「郷土博物館入り口」バス停で降りると、すぐにかんぽの宿が見えてきました。
これは、なかなか立派な建物。「宿泊・会議・研修・お食事・ご入浴」と看板にあるので、社内研修や学生の合宿など団体利用も多いのかなと思います。
レストランの味はフツーも、絶景に感動
玄関入り口に、日帰り入浴案内の看板がありました。
ガイドブックに載せていないわりに、積極的に日帰り客も受け入れているようです。
というわけで、まずは玄関からフロントに向かいます。フロントのあるロビーは広く、さすが宿泊施設といったところ。ホテルなので、靴は履いたままです。フロントではお姉さんが日帰り客でもにこやかに対応してくれました。
ランチセットプラン2000円と告げると、レストランが2階にあること、展望大浴場が7階にあることを説明してもらえました。さっそくレストランに向かいます。
レストランの入り口に、地元青梅の蔵元「澤乃井」の飲み比べセットの案内が。
澤乃井飲み比べ900円は、正直かなりそそられましたが、これから食事をして、入浴レポするため、とりあえずは我慢です。
レストランに入ると、目の前に多摩川と奥多摩の絶景が広がります!
これはすごい!この景色を見るだけでも来て良かったかも…
ランチセットプランは、1000円程度の食事をオーダーできる仕組みで、メニューの●印がついているものが、オーダー可能です。
スーパー銭湯の極意は天ざるそばにあり!という妙な妄想にとらわれている貧乏ライターくろたまは、迷わず「天ざるそば」をオーダー。ほかに、青梅らしいメニューがないか見てみると…
山女魚(ヤマメ)の塩焼き990円がありました!
うーん…約1000円は痛いけど、せっかく奥多摩の入り口の青梅まで来たわけだし、地元の魚を食べるのも悪くはないなあ…
というわけで、ヤマメ塩焼きも追加でオーダーしました。
「ヤマメ」
日本の渓流に住むサケ科の魚。最上流部に生息するイワナと並んで、渓流釣りで人気がある。東京でも、奥多摩町の日原地区など奥地にはイワナ、羽村市より上流の多摩川には天然のヤマメが生息している。養殖が難しく、かつては「幻の魚」と呼ばれたが、養殖技術の進歩で、割と気軽に食べられるようになり、山間部の旅館料理では塩焼きが定番となっている。東京でも奥多摩町に養魚場があり、「奥多摩やまめ」がブランドになっている。
レストランで絶景を眺めながら待つこと10分、天ざるそばが到着。
一見、なんの特徴もない天ざるそば。食べてみると…至ってフツー。
これなら、「さやの湯処」のそばの方がずっとうまい。湯楽の里レベルといったところか。
そして、さらに待つこと10分。いよいよヤマメ塩焼きが到着しました。
これは…体長20センチほどのヤマメがこんがり焼けている。東北地方出身で、釣り好きのくろたまが、少年時代によく釣ったサイズだ。
食べてみると、淡白なヤマメ特有の味がして、なかなか美味。
とりあえず青梅まで来て東京の山の幸が味わえて良かった。990円は高いけど、「かんぽの宿青梅」的には、コアな客層を狙ったメニューといえるでしょう。
狭い浴槽…でも山インフィニティが半端ない!
さて、お腹もふくれたところで、いざ温泉!エレベーターで展望大浴場のある7階を目指します。
大浴場は夜24時まで、朝風呂も5時からというわけで、お風呂好きは泊まっても風呂三昧ができるようです。
日帰りは15時でリミット。あと2時間あったので、ゆっくりと入ることにしました。
それでは、男湯にレッツ入湯!のれんをくぐります。
脱衣場は、結構せまく、30個ほどあるロッカーには鍵がかかります。宿泊施設によっては、着替え場に衣類を置くカゴしかなくて、貴重品をさりげなく隠す必要がある旅館もあるのですが、不審者が入ってこないという前提。
日帰り入浴を受け入れている以上、鍵は不可欠でしょう。
青梅鮎美の湯のウリは、PH10.0のアルカリ性ということ。美肌効果があって「全国有数」というのは、すこし表現が行き過ぎかも…
でも強アルカリ泉はすべすべして気持ちよく、肌の角質も取れて気持ちいいんですよね。
さて、服を脱いで、レッツ浴場!
これは…お風呂の7割(写真右側)は、温泉ではなくて、左側の3割が「鮎美の湯」という説明板がかかっている。
つまり温泉は、3人も入ればいっぱいな狭さ。これはやられたかも…
少し落胆しましたが、とりあえず湯船に浸かります。
うーん、42度のちょうど良い温かさで、アルカリ泉がすべすべして気持ち良い。
泉温25.1度で、毎分55リットルとのこと。低張性ーアルカリ性ー低温泉のやさしい湯です。加温、加水、循環ろ過は、やむを得ないところかな。
それにしても、露天風呂がないのは残念だけど、窓からの奥多摩の山と川の景色が素晴らしい。こういうのを「山インフィニティ温泉」というのかな?
温泉に浸かってのんびりと景色を眺めるのも悪くない。他にお客がいなくて湯船を独占できるのも、穴場温泉ならでは。持病の不眠症にもこれは効きそうだなあ。泉質だけを言えば、同じ青梅市の河辺駅前にある「河辺梅の湯」の方がかけ流しもあって良いけど、こちらの眺望にはかなわない。さすがかんぽの宿、だてに宿泊者から高い料金を取っていない。
温まって、身体を洗ってまた入り、そう言えばサウナや水風呂がないのに気づきます。これはこれで仕方ない。でも、火照った身体を冷ます露天がなくて、仕方なく脱衣場に戻ります。
脱衣場にはベンチがあり、やっと一息つけました。水分補給したいなあ、と思ったら、ありました冷水器。紙カップも用意されており、奥多摩の冷えた美味しい水をただで飲み放題なのも嬉しいところです。
水分を補給したところで、また湯船に浸かります。
他に2人ほどのお客さんが来ましたが、さほど温泉が混み合うわけでもなくて、のんびりできました。湯船に浸かって、脱衣場で水分補給してはクールダウンを繰り返します。これはまるでプチ湯治だ…そんなことを感じるうちに、15時近くになったので、帰り支度をすることにしました。
お土産処は充実。喫茶利用も安くてオススメ
一階のフロントのあるフロアにもどったのですが、ロビーは広々としていて、湯上がりにゆっくり休むのに最適でした。この日は寒かったので利用しませんでしたが、テラス席も景色がよく、新緑の季節などに来ても良いでしょう。
そういえば、今回は2000円払ってランチを食べたけど、1600円の喫茶600円券のついたプランはどうなんだろう?ということで、喫茶「かわせみ」のメニューをのぞいてみました。
これは…中ジョッキ770円はまずまずだけど、明太子クリームやミートソースなどパスタ各種が600円とは安い!
喫茶利用プランだと1600円で済むので、次回来た時は喫茶利用プランも良いかもしれないと思いました。
また、2000円プラスで17時まで部屋が使えるプランもあり、Wi-Fiもあるそうなので、ノートパソコン片手にワーケーションで来るのも良いかと思います。
さて、家族に無断で温泉にでかけた罪滅ぼしに、お土産をリサーチすることに。お土産売り場は結構広く、ラインナップも充実していて、ホテルのオマケの施設とは思えないほどです。
名物の梅せんべいから衣類まで揃っています。もちろん、東京みやげといっても、製造地が都外なのはお約束ですが…
定番の、清酒「澤乃井」のラインナップも充実しています。迷った末、小瓶の「大辛口」550円を購入しました。
お酒のアテは、やはり奥多摩名産のわさび漬けということに。定番の「わさび漬」330円をチョイスして、今晩は妻とわさび漬けをアテに澤乃井で一杯やろうかな…などと思いつつ購入し、お土産も揃ったところでかんぽの宿をチェックアウトしました。
口コミ
他の利用者の方がどのような感想を抱かれているのか、調べてみました!
←そう、レストランのスタッフさんの対応がとても良いですね。風景も言うまでもなく素敵です。
←露天風呂が無いのは残念ですが、客層が良くて雰囲気がのどかでくつろげるのは確かです。
←宿泊だと露天風呂付きの部屋があるんですね。それにしても、湧出量のせいか真水の湯船がほとんどなのが残念。リフォーム時にもうひと工夫ほしかったところ。
まとめ
サウナ無し、水風呂無し、浴槽狭い…と、スパ銭なら最低評価になりそうな温泉でしたが、
お風呂からの素晴らしい眺望はそれを吹き飛ばすものがありました。
奥多摩の眺望を楽しみ、地酒を飲んで、山女魚の塩焼きを食べる。そんな日帰りのプチ湯治旅を叶えてくれる施設は、そうそう無いでしょう。
何よりも、ガイドブック未掲載のためか空いていて、ゆったりとお湯に浸かれるのも魅力。
近隣のアルカリ性温泉には、同じ青梅市の河辺梅の湯 や、隣の飯能市の宮沢湖温泉喜楽里別邸、昭島温泉湯楽の里があります。かけ流しの浴槽もある、これらの湯と比べて特に泉質が良いわけではないけど、かんぽの宿青梅は、なぜかまた来ようと思わせるお風呂でした。
店舗情報・アクセス・料金・営業日・営業時間
- 店舗名
- かんぽの宿青梅
- レビュー評価
- ★★★☆☆(3)
- アクセス
- 〒198-0053
東京都青梅市駒木町3-668-2
- 電話番号
- 0428-23-1171
- 営業時間
- 10:30~15:00(最終入場13:30)
- 定休日
- 平日大人料金
- 1600~
- 休日大人料金
- 1600~
- 料金メモ
- 【お店から】
- 多摩川が白波を立てて流れ、岸辺には遊歩道が整備されています。
まずは、朝に夕に開放的な展望大浴場で、ゆっくりおくつろぎください。
澄み切った空気を深呼吸し、自然の息吹を感じてみませんか。
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