白寿の湯では、コロナウイルス対策として、営業時間の変更とサービス縮小を行っています。内容は以下の通りです。
『営業時間』
10:00~21:00(最終入館 20:30)
<利用できるサービス>
・男女浴室内風呂 (露天風呂はご利用いただけません。)
<利用中止サービス>
・お食事処 「俵や」
・癒楽(ボディケア)
・ライブラリースペース(休憩処)
『白寿の湯公式HPより』
「温泉通を唸らせる赤褐色の名湯」───ー。おふろcafeグループきっての名湯とされている白寿の湯も、実際はほぼ透明な薄め湯でがっかり!
でも平日なら糀料理や無料コーヒーなど「おこもり」派には満足できる。そんな現状をプチ湯治旅マニアの貧乏ライターくろたまがレビューしまーす!
Contents
東京から2時間、マイカーがオススメ
「白寿の湯」があるのは、埼玉県北の「児玉郡神川町」。「こだまぐーん?」っていったいどこ?
「神川町」
埼玉県北西部にあって、神流川(かんながわ)を挟んで群馬県藤岡市と接している。人口13000人で、町内には、自然食材にこだわる「ヤマキ醸造」や、「松田のマヨネーズ」を作る企業があるなど名水の里として知られる。
白寿の湯を運営する温泉道場グループもこうした地域の資源に注目して、店舗も「発酵」にこだわるなど、ローカル色をおしゃれに打ち出している。
というわけで、高崎線に揺られること90分、神川町への起点となる「本庄」駅に着きました。
すぐ右手に「赤城山」、左手に「榛名山」、中央奥に雪に染まった上越連山が!
「ここはグンマ?」
そう、確かに本庄駅構内のお土産コーナーには、たくさんのぐんまちゃんグッズが!
だけどこれで驚いてはいけない。なんと白寿の湯へは、ここからさらにバスに乗り換え!
しかも、本数は1〜2時間に一本。45分ほど待って朝日バス「神泉総合支所」行きに乗り込みました。
やがてバスは西上州の山あいを進みます。30分くらいかかって「下渡瀬」バス停留所に到着。そばに広い駐車場のある白寿の湯が見えました。
すでに2時間以上が経過。いやはや、いくらおふろカフェでもこれは遠いなぁ。
マイカーの場合は、関越道本庄児玉インターから約25分で着くそうなので、電車より便利。
駐車場を見るとお決まりの「熊谷」ナンバーのほかに、「群馬」ナンバー、「宇都宮」、「品川」など、平日でもけっこう遠くからコアな温泉ファンが来ている様子で、期待が高まります!
丁寧な接客、お土産も充実
白寿の湯は、既存施設をリニューアルした2階建て。玄関もおしゃれになっています。料金、平日780、休日880円は妥当。
中に入るとロッカーに靴を預けて、引き換えに精算用のリストバンドを受け取るシステム。「いらっしゃいませ!」とお姉さんたちも元気なあいさつ。さすが人材育成をうたっている温泉道場グループです。
雰囲気の良い白寿の湯は、リピーターも多いらしく、回数券などが充実しています。なかには定食の回数券もあり、食事コスパの高さを期待させます。
入り口のそばには、品揃えが多彩なお土産物販コーナーがあります。寝かせ玄米が有名な「結わえる」のレトルトご飯や、地元神川町の醤油メーカー「ヤマキ醸造」の醤油や味噌もあり、ラインナップが豊富。
おふろカフェグループの「昭和レトロ玉川温泉」の時もそうだったけど、お土産のラインナップが安くて豊富なのは嬉しい。1人で来ても家族にちょっとしたプレゼントも買えるし。お決まりの「白寿の湯、温泉の素」をとりあえずブックマークしました。
糀(こうじ)料理「俵や」はコスパ最高!
コーヒーが香る館内を進むと、食事処が平日の割にはにぎわっています。
お水はセルフサービスですが、レモンの浮かんだウォーターサーバーはいい感じ。
「お好きな席にどうぞ」とのことだったので、テーブル席をチョイス。
寝かせ玄米と糀料理の「俵や」
地元の「ヤマキ醸造」や、「結わえる」とのコラボで実現したお料理をメインに、糀本来の持つ「力」を活かし、地元の食材や季節にあったお料理を提供しております。お酒はクラフトビールや地元の日本酒をご用意。(パンフレットより)
とのことで、寝かせ玄米をベースに料理がアレンジしてあります。
さらに糀だけでもなく、秩父産のよもぎそばと春の地元山菜の天ぷらのセットが1000円以下!これはなかなか…
目にとまったのが、「上州地鶏の醤油糀唐揚げ定食」(850円)、よし、これでいいとオーダー。
待つこと5分もかからずに、揚げたての唐揚げと寝かせ玄米ごはんが到着。
「サクッ」───。なにこれ、激ウマ!素材が良いのか、そこいらのフライドチキンとは一線を画しています!
さらにごはん。玄米のおいしさが中年太りの我が身に染みるなぁ。
ガッツリ系の若いお兄さんには物足りないかもしれないけど、女性や年配の方には、ここのご飯はコスパ最高!
すっかり満足して良い気分になって、いよいよお風呂に向かいます!
名物「千枚田」はあるが、透明な薄め湯
2階のおふろに上がる階段、テンション上がります。なんたって「赤褐色の源泉、関東有数の名湯を堪能する」ー──とパンフレットに書いてある!これは期待できるはず。
ロッカールームは割と広く、木のロッカーも新しくていい感じ。そして、浴室に入ると…ありました、千枚田!
「源泉の濃さを証明するように、湯舟のふちや床には褐色の温泉成分の結晶が、千枚田のような様相で堆積します。温泉通をも唸らせる、白寿の湯の名湯とも言える光景です」(パンフレットより)
おお!この千枚田が内湯から露天風呂まで広がっている。これは生写真に撮れないのが、残念!そこで露天風呂からレッツ入湯!
…あれ?
お湯が透明。しかもぬるま湯。気持ち程度に赤い粒が混ざっていますが…。
そこで内湯に転戦して入湯。やはり…露天風呂よりは少し濁りが混ざっていますが、とても赤褐色とは言えない…。
そういえば「季節や温度などによりお湯の色が変わる場合があります」と書いてあった。それに「源泉が濃すぎて、そのままではパイプ詰まりや湯あたりを起こしてしまうので、井戸水で加水しています」ともあったけど…。
もう一度露天風呂に入って味をペロリ(真似しないでください)、いやいやそんなに濃くない、これなら都内の「豊島園庭の湯」などの「ナトリウムー塩化物強塩泉」の方が、よほど刺激的。
内湯も試してみたけど、そんなに濃くはない。これなら都内のデイスパの塩化物泉の方が、よほど泉質が良いのでは…。
納得できなかったので、脱衣場に貼ってあった温泉分析表を見ると、「ナトリウムイオン」「塩化物イオン」「炭酸水素イオン」などが確かに濃厚。
そうか!毎分湧出量が25リットルしかない!どうりで千枚田があったけど、源泉が少なくてはお湯が薄いはず…。
かなり残念な気持ちで、足早にお風呂を後にしようとしましたが、露天風呂のおじいさんが「あーいい湯だ」って、気持ちよさそう。
そうか、何も泉質だけが温泉じゃあないなぁ。
見渡すと西上州の里山の緑がきれい。はるばる来たし、まあのんびりするかーと、薄め湯に長湯しちゃいました。
無料コーヒーでゆっくり「おこもり」
お風呂を出た後は、帰りのバスまで時間があったので、階段を降りておこもりスペース「寛ぎ処 葉隠」へ。平日とあってゆったりとした雰囲気。床を丸くくりぬいたソファーやハンモックがあります。
壁ぎわには、無料のコーヒーマシンが2台あって、濃い目、薄めを選べます。アイスコーヒーが無いのが残念ですが、ガムシロップとミルクを好きなように使えます。
味は、ファミレスより少し美味しいくらいで満足。「まるで発酵をしているかのような寛ぎの時間をお過ごしください」とパンフレットにありましたが、人も少なく、本当に発酵するようにゆったりできました。
さすがにおこもり空間は、寝過ごしそうだったのでパスしましたけど、時間があればのんびりしたかったな。隣にうたた寝処もあり、けっこう皆さん気持ちよさそうに寝ていました。
口コミ
他の利用者の方がどのような感想を抱かれているのか、調べてみました!
→その濃いお湯に入ってみたかった…。
今日は何だかお風呂の色が薄かった。
どうしたのだろう…
食事処で季節野菜の天ざるそば食べました。天ぷらが凄く美味しかった!見たこともない葉っぱの天ぷらが最高に美味しかった!
→お蕎麦の方も美味しいんですね。
まとめ
結局、コーヒーを3杯味わって、お風呂の不満をリベンジして、作り笑顔でチェックアウトしました。家までの2時間以上がまた遠かった。
ここで「告白」!実は私(くろたま)、白寿の湯は2回目だったんです!
前回は昨年秋の週末に訪問して、この廊下の椅子に座りきれないほどの人、人、人!
おこもりだけでなく、温泉も「人が少ない平日。今度こそは濁り湯のはず」ー──。と勝手に期待して再訪しましたが、やはり前回と同じ薄め湯…。
でも、前回堪能できなかった糀の料理と、コーヒーを飲みながらのゆったり感は良かった。
今はコロナウイルスでどこも大変ですが、逆に週末でも空いているかもしれません。
外出自粛のうちは無理でしょうが、落ち着いた頃に出かけると、お湯はともかく、ゆったり過ごせるカフェなのは間違いないです。そしてお店の方が、お湯の関係を工夫してくだされば、きっと「関東の名湯」に恥じない、良い日帰り温泉になるでしょう。☆3
店舗情報・アクセス・料金・営業日・営業時間
- 店舗名
- おふろcafé 白寿の湯
- レビュー評価
- ★★★☆☆(3)
- アクセス
- 〒367-0301
埼玉県児玉郡神川町大字渡瀬337−1
- 電話番号
- 0274-52-3771
- 営業時間
- 10:00-23:00
- 定休日
- 無し
- 平日大人料金
- 780円
- 休日大人料金
- 880円
- 料金メモ
- 450円(21:00~23:00)
- 【お店から】
- 古生層から湧出する名湯、健康を食する糀料理、ゆっくり寛げるスペースの
3つのカテゴリーの融合化を図り、心やすらぐ快適な空間づくりを心がけております。
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くろたまの記事
高崎線本庄駅から45分待ってバスで行く「白寿の湯」。ほとんど秘湯の旅に近いアクセスの末に、裏切られた期待のほろ苦さと、その中にも見出すささやかな解放の時。
ユーモアと哀切の、味わい深い小紀行文を読ませていただいた気分です。