京王線府中駅改札を出で、駅の階段を降り、府中の名所といわれるけやき通りを横断すれば、そこに「縄文の湯」がある。
ビルの中にある珍しいタイプということもできるだろう。1階はサンドラッグ、2階にはサイゼリヤなどが入っており、なんでここに温泉?という感じ。食事でもしようかとビルのエントランスに入れば、正面に8メートルあるという欅の看板がド~ン!
通りすがりでも、なんとなく気になる温泉ではあるだろう。
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昼間はガラガラ。夜は、混むのだろうか?
駅から1分。そこに温泉があることは、ずいぶん前から気づいてはいたのだが、なかなか行ってみるところまではいかなかった。
なぜならば、あまりにも駅に近いので、どうしても「通過地点」になってしまうから。府中からバスに乗る前に、ちょっと食事でもしていこうかと思ったときに、そこに温泉! ちょっと今じゃないなぁという感じ。かといって、わざわざ行く?なんて感じで。
エレベーターに乗って、6階の受付へ。入口をはいるとまず靴箱があるが、整然としていてきれい。正面のフロントは広々としていて、まるでホテルにチェックインするイメージである。フロントの前、横に広がるロビーも広々としていて、欅の柱などが配してあり、どう見たってホテルだ!
なかなか足が向かわなかった理由のひとつに、利用料の高さもあった。平日2,400円、土日祝日2,900円。短時間利用の「カラスの行水90分コース(22:00まで受付)」でも1,500円。
着替えたりすることを考えると、90分では、ホントにちゃぽんと浸かってでてくるようだろう。朝風呂コース(5:00~9:00)1,500円というのもあるが、ご隠居さん向きかなぁ。仕事前にひとっ風呂浴びていくなんて、江戸時代の職人さんみたいだけど。
利用料金を払うと、タオル、ハンドタオル、館内着の入ったビニールのバックがもれなくわたされる。料金の中に含まれているので、本当にここは手ぶらでOK。
仕事の途中でも、帰り道でも、気が向いたらカフェに入るように温泉に入れる⁉
お風呂バックをもらって、いざ温泉というところだが、ロビーも脱衣所もほんとにガラガラ。どこかに誰かはいるのだろうが、見渡す範囲には人影はない。静かでいいといえば、いいし、なんかさみしいと言えばさみしい。
繁華街の立地らしく、フロアは縦につながっている
温泉の入口になっている6階は受付とロビーがあるだけ。7階が食事処、8階がお休み処ともみ処。
9階が女性専用ロッカールームで、その上の10階が女性専用大浴場、11階が男性専用大浴場 12階男性専用ロッカールームとなっているので、それぞれ目的地に向かってとことこ階段を上るか、エレベーターにのることになる。
お風呂は温度の違う浴槽が4つと水風呂が一つ、サウナと岩盤浴がある。海水の成分に似た食塩を含んでいる塩化物泉で、色は褐色、なめてはみなかったが、塩辛い湯のようだ。
塩化物泉は、温熱効果があり、身体の芯からぽかぽかしてくるので、寒いシーズンがおすすめかもしれない。
皮膚に塩分が付着し、汗の蒸発を防ぐため、保温効果がよいというが、身体が塩を吹いているのをイメージしてしまった。湯冷めしにくいのは、日帰り温泉としてはかなりプラス要素ではないだろうか。
血液の循環がよくなり、関節痛や慢性疲労にも効果があるとのことで、やっぱりというか、温泉に入ってみると高齢者がふたり、まったり湯船に漬かりながら、世間話をしていた。
他人の話を聞いていたというわけではないが、このふたり以外には私しかいないわけで、嫌でも話が聞こえてくる。そこから類推するに、ご近所の方らしい。
日帰り温泉は、昔の銭湯のように年配のご近所さんの溜まり場になっていることはけっこう多いが、そういう用途には、ちょっと料金が高すぎるんじゃないかとも思う。府中の住人は金持ちなのか、それとも日がな一日、温泉とおしゃべりを楽しむ料金としては、リーズナブルな価格と思うのか。
とにかく人が少なく静かで長閑なので、空間使用料と考えれば、そう高額ということにはならないかもしれない。
お湯も、浴槽も特筆すべきことはなにもなく、印象に残らない。ただ広くて、空いてて気持ちがいいなぁという感じだけ。自分だけの世界に浸れるというのだろうか。これはこれで、高評価を下す人もいるのではないかと思う。府中の街が見下ろせる大きな広い窓がついていて、ビル内温泉ではあるものの、なかなかの開放感がある。男性専用大浴場には快晴の日には富士山も展望できるという半露天風呂があるそうで、もっと気持ちがいいのかも。
浴室に入る前の入口に、ロッカールームとは別に荷物入れというのか、小さな棚が並んでいる。ロッカールームで着替え、お湯に入るために必要なものだけを持ってここまで来て、館内着を脱いでここに置いておくということになる。いくら人が少ないとはいえ、裸でウロウロしなくてもいいのは、よい工夫だと思う。
ビルの中にある温泉だが、源泉や天然ガス抜き等の施設は、建物の外に設置してあるそうで、ガス漏れや爆発!なんかないようにちゃんと安全管理は万全とのこと。お湯は地下1,500メートルから汲み上げたときは、52℃ほどあるそうだが、浴槽に入るときには42℃程度になっている。温泉としては、熱めといえば熱め。
中学生以下の子ども禁止がありがたい
「未成年のみのご利用は、固くお断り申し上げます。中学生未満のお子様は入館をご遠慮させて頂いております」という案内があった。これは静かに湯を楽しみたいというオトナには、ありがたい話だ。
利用料の安いところは、休日や夕方は家族連れが多く、ギャーギャー騒ぐ子どもたちにへきえきとしたことも多い。子どもなしで、この静けさが確保できるなら、高いと思っていた利用料も、案外、妥当な価格かもしれないとさえ思う。
予約なしで泊まれるので、急な出張や思わぬ残業で帰れなくなっちゃったときなどのビジネスユースは多いようだ。
近くには味の素スタジアムなどもあるので、サッカー観戦のあとに汗を流して、ついでに泊まっていっちゃうというのもアリだろう。近所の深夜営業の店の店員さんたちもけっこう利用していると聞いた。
こんなに高くては、すぐにつぶれるのではという近所のうわさもあったようだが、安価で予約なしでもOK、ゆったり温泉にも入れる宿泊施設と考えれば、大いに利用価値はありそうだ。
そんなわけで、寝るところは充実している
年中無休だが、浴場内清掃のため、深夜3時~5時までは入浴できない。日曜日と月曜日の清掃は、深夜2時頃から始まる。こんな時間にお風呂に入ろうという人は、「泊り」ということ。深夜追加追加料金(24:00以降)1,500円がプラスされても、平日なら3,900円。ビジネスホテルに泊まるより安い!
そうだったんだ!ここは日帰り温泉ではなく、宿泊施設と考えれば、実にリーズナブルで施設も充実しているということになる!
お休み処として、畳の部屋もあれば簡易ベッドのような作りのリクライニングシートもある。広間にずらっと並んで寝床が作られている部屋もあるが、それぞれに仕切りがついていて、隣の人と顔を突き合わせるという危険はない。
いろいろ照明に工夫がされている部屋もあって、「泊まる」という機能は、けっこう充実しているのではなかろうか。
私は泊まらなかったので事情はわからないが、一方でうるさくて寝られないという声もある。主としてメンズフロアではあるが、酔っぱらって終電を逃した客も多いのでイビキがうるさい!とか。
集団で寝ることに慣れていない人にとっては、寝不足が約束されているそうだ。これはちょっと困った話ではある。
リラクゼーション施設という意味では、マッサージ・エステ関連も充実している。整体が40分4,400円~80分」8,800円。足つぼマッサージは、痛気持ちいのが好きな人にはハードな中国式45分5,000円、ソフトな刺激でリラックスできるという英国式が60分6,300円。それぞれ30分のお試しコースもあるので、まずは試してみてからか。
いま人気があるのは、筋をもみほぐして血行促進するというタイ健式。60分7,000円で、疲労回復にはかなりいの効果が期待できるという。いろいろ試してみたければ、健美セットコース(足つぼ30分ボディケア20分)5,600円~なども用意されている。
ほかにも韓国式アカスリ30分4,200円やオイルマッサージ・トリートメント、ヘッドトリートメントなど、女性に人気のエステもいろいろあった。
メニューが豊富な食事処「きっさこ」では、宴会もできる
7階にあるのが、食事処「きっさこ」。とても広々としていて、木のテーブルとベンチシート。いかにも食堂!という風情。
11:00~23:00といつでも食事ができる長めの営業時間で、このメンダイのほかにも、宴会などにも使える和室がある。メニューは、ものっすごく豊富。デザートの種類も多い。宴会は2時間3,600円から。
毎日打ち立て、自家製麺という「本格二八蕎麦」というのを食べてみた。小鉢がついた「縄文そば」が830円。好みとしては、もう少し硬めがいいかなとか、つゆは辛めがいいかなとが、いろいろあるが、ざるそば650円はリーズナブルかも。
蕎麦はうどんに変更することもできる。温かい蕎麦うどんやラーメンもある。
御膳ものや幕の内弁当が1,300~1,500円ぐらい、カキフライ定食とか魚の煮つけ定食とか、若鶏の竜田揚げ定食とか、定食類はご飯とみそ汁をつけて1,000円前後、鉄火丼や天丼などの丼物も1,000円程度なので、まあ、選びやすい価格帯ではある。
宴会コースもあるだけに、メニューには焼き鳥や刺身、揚げ物、サラダなども揃っている。
口コミ
他の利用者の方はどのような感想を抱かれているのか、調べてみました。
温泉上がった後温泉臭くなる。いい匂いには感じない。
他の銭湯よりロッカーが広め。
まとめ
日帰り温泉とは考えずに、宿泊施設と考えれば、なかなか快適で使い勝手がよいのではないかと思う。
東京競馬は徒歩圏内なので、GⅠレースの際の開門ダッシュを考えるなら、前日に泊まってゆっくり温泉に浸かり、身体をほぐして席取りレースに備えるも一興かと。もちろん大当たりをして祝杯を上げ、終電をのがしたときにも泊まることができる。
温泉としてはほとんど点数の対象にはならないような気もするが、リラクゼーション&宿泊施設としてはポイントが高い。
ポイントといえば、入館時にポイントカードがもらえ、200円につき1ポイントが付与される。毎月26日はポイント2倍。100ポイントでビール1杯無料、150ポイントで入館料半額など。HPからクーポンと印刷して行くと300円引きというサービスもあった。
店舗情報・アクセス・料金・営業日・営業時間
- 店舗名
- 縄文の湯
- レビュー評価
- ★★☆☆☆(2)
- アクセス
- 〒183-0022
東京都府中市宮西町1-5-1 フラココ第8ビル
- 電話番号
- 0120-041-265
- 営業時間
- 午前10:00~翌午前9:00
- 定休日
- 年中無休
- 平日大人料金
- 2,400円 館内着
- 休日大人料金
- 2,900円 館内着
- 料金メモ
- 深夜追加追加料金(24:00以降)プラス1,500円 朝風呂コース(5:00~9:00)1,500円
- 【お店から】
- 全国の名湯と比肩する泉質。癒しの空気が流れる広々とした大浴場。希少な駅前という立地の天然温泉を、心身共に癒せる湯治の場として皆様にお届けいたします。
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