日本天然温泉審査機構の評価で、すべての項目で最高評価という百観音温泉 美人の湯。
まるで小川のようにお湯が溢れる様子に私(くろたま)は感動!その効能を求めて遠方から客が押し寄せる「埼玉の湯治場」をレポートします。
Contents
こんな所に温泉が?恐るべし埼玉東部温泉郷
百観音温泉があるのは、東京のベッドタウン埼玉県久喜市。
フツーに関東平野の真ん中で、近くに火山も何もありません。
なんでここに温泉が?と思うけど、埼玉県の東部は、web上で話題になっている杉戸町の「雅楽の湯」(うたのゆ)や、先日レポした「春日部温泉 湯楽の里」など、濃厚な塩化物泉の宝庫。
どうやら古利根川沿いの地下水が豊富なことが関係しているとくろたまは思うけど、科学的な資料は無し。
そこでなんと、元記者のくろたまは、埼玉県庁出先機関の水環境担当者に電話インタビュー!
「なんでまた、こんなに温泉が豊富なのですか?」
「うーん…よくわからないけど、この辺人口が多くて、客が見込めるから、掘削した業者さんが多かったようですが…わからないです、すみません」
ということで、理由は不明。
とにかく、都心から宇都宮線で約1時間。
「東鷲宮」(ひがしわしのみや)駅に到着しました。
駅前は商店街も何もなし。西口を出て歩くと、すぐに大きな看板が立っています。
どうやら「かけ流し」を前面に推しているようです。徒歩3分くらいで、見えてきました、百観音温泉
平面型店舗というよりは、単なる古めな建物のようにも見えます…
これが天下の名湯なのか…
建物の前には、210台が無料で駐車できるスペースがあり、平日とあって地元の春日部ナンバーや大宮ナンバーが多くとまっています。つくばナンバーもとまっていました。
温泉の隣には、百観音温泉の名前の由来になっている百体の観音様を祀る観音堂があります。
なんでも、観音様のお告げで、当主の方が平成10年に温泉を掘削したところ、極めて順調にお湯が出てきたそう。
そのご利益にあやかって「百観音温泉」と命名したそうです。
いわば独立系の温泉で、チェーン店ではありません。
ふむふむ…ありがたいことですね。
とにかく中に入ります。
小じんまりして、控えめな店内
玄関ロッカーは、100円返却式で、靴箱のカギを受付で精算用リストバンドと交換するシステム。
入場料は先払いで平日800円。土日850円。
安っ!と思ったけど、口コミでは、「高め」との投稿が目立ちます。
地元民には高く思えるらしく、さすが温泉激戦区。
店内は、埼玉県産野菜のしゃくし菜漬けなどのお土産が気持ち程度に売っているほか、食事処「松竹亭」、整体ほぐし処、アカスリ、休憩室があります。お世辞にも広いとは言えない…
建物内も古めですが、掃除が行き届いており、不潔さは感じません。
フツーな食事処
食事処「松竹亭」は30人くらい入ったらいっぱいな広さで、湯楽の里グループなどの広い食堂と比べて見劣りします。
お値段は他のデイスパと変わりませんが、中でも百観音弁当(980円)とカレーうどん(680円)が看板メニューらしく、イチオシな様子。
しかし、私、貧乏ライターくろたまは、
「デイスパの食事の真髄は天ざる蕎麦にあり」
という妄想にとらわれているのだ!
迷わず、「人気No.2」とメニューにある「天ざる」(980円)の大盛り(150円増し)をオーダー。
携帯式のブザーを受け取ります。
セルフサービス方式で、冷たいお茶がおいしい給茶器があるのが、ありがたい。
貧乏ライターくろたまには、飲み物代金もばかにならないのです。
待つこと10分、天ざるそばをカウンターで受け取ります。
おお、確かに麺が大盛り。
そばも黒めでいい感じ。
手打ちではないものの、スタンダードなデイスパの味。
天ぷらもサクサクしていて、とりあえず満足していただきました。
特に海老天がおいしかった。
強いて言えば、そば湯がなかったのが残念。
いよいよ入湯、の前に貼り紙チェック
さて、お腹いっぱいになったところで、のれんをくぐって脱衣場へ。その前に、入り口横にあった貼り紙をチェック。
ふむふむ、加温、加水なしのかけ流しか…
含よう素、ナトリウムー塩化物強塩温泉
神経痛など効能豊かな様子。
ー本物志向ー
強塩の濃厚な温泉が奏でるハーモニーは色、香りとともにさまざま効能をもたらします。
特に強塩成分の保湿、保温効果はアルカリ性泉質の肌表面をつるつるにする効果とのダブルパワーにより、肌がしっとりすべすべに!美人の湯と大変ご好評を頂いております。
また非常に高い保温効果の持続により、冷え性や神経痛にお悩みの方からも喜びの声がたくさん寄せられております。
当館ではこの濃い温泉をそのまま変える事なく、高温の源泉も冷ました温泉により温度を下げて浴槽に注いでおります(略)ーパンフレットより。
これは期待できるかも…とのれんをくぐります。
なんでも、百観音温泉には大型露天風呂がウリの「菩薩の湯」と、寝湯推しの「阿弥陀の湯」があり、男湯・女湯を2週間ごとに入れ替えしているそう。この日は菩薩の湯が男湯で、露天風呂好きなくろたまには、ラッキー。
脱衣場は100円返却式のロッカーが並んでいますが、他のデイスパと比べて狭く感じます。
そういえば、ありました温泉分析表。
ヘアーキャッチャー以外の装置無しのかけ流し式。
湯温54.4度
毎分490リットル自噴式
消毒のため、塩素系薬剤を使用
あれ?ガイドブックや公式サイトには毎分1000リットルとあったけど、これはいったい?
そういえば、埼玉県の担当者が「県で定めた汲み上げ規制がありますので」とか言ってたことと、関係あるのかな?
かけ流しなら、塩素はいらないような気もしますが…
イオン感あふれるシュワシュワの湯
とにかくレッツ入湯!
浴室に入ったとたんに、スモーキーな鉱物臭が充満しています。ムード満点。
かけ湯して、まずは外にある露天風呂に向かいます。
広っ!
さすが菩薩の湯のウリだけあって、これは15人くらい入れるまずまずな露天風呂。
湯口から滝のようにお湯が注いで、いや、流れ落ちています。
お湯は琥珀色というか、「さやの湯処」や、「豊島園 庭の湯」のような透明系のヨウ素泉特有なカラーです。
何よりも、水面にキレイな泡が浮いていて、圧倒的なシュワシュワ感。
これは、同じ含よう素塩化物泉でも、「豊島園 庭の湯」のような循環湯(庭の湯の循環設備自体は素晴らしいですが)には無い、イオンが生きている湯。
とにかく気持ちいい!
やはり「湯使い」は大事だなぁ…
湧出量が少ないと、いくら源泉が良くても、お湯の新鮮さがなくなってしまう…
天下の草津温泉でさえも、泉質はともかく、お湯が古いのに値段が激高い老舗があったっけ。
そうそう、前に福島県のいわき湯本温泉の小さな宿のご主人が、「温泉は炭酸飲料と同じで、使いまわすと気が抜けるんですよ」と言ってた。湯使いは大事だなぁ。
それにしても、コロナウイルスの緊急事態宣言で、約2ヶ月ほど温泉はごぶさただった。
もう、温泉どころではないと思ったけど、こうして解除まで感染しないで生き抜いて、お湯につかれる日がまた来るとは…生きてて良かったなぁ…
露天風呂の隣の寝湯は、あまり期待していなかったけど、寝る場所に、サラサラと小川のようにけっこうな湯が流れています。
横になるとこれは極楽。
よその温泉の寝湯は「チョロチョロ」が多かったけど、ここは違う気持ち良さ。
思わず寝そうになりました。
熱湯マニア向けの高温湯も
内湯に戻ると、まずはお決まりの高濃度炭酸泉へ。こちらも15人程度が入れるまずまずな広さで、温度はかなり低め。炭酸効果で心臓を楽にしてクールダウンします。
その後、46度の熱い「立ち湯」に浸かろうとしたけど、片方の足を入れただけで退散。
なんでも湯治の方(特に冷え性や、神経痛)の方に好評とか。
ほかにも、ジェットバスの付いた普通の温度(40度)の湯と、少し熱い湯舟(43度程度)があります。
ジェットを肩や背中に当てて凝りをほぐすとこれは極楽。
少し熱い湯舟の琥珀色の湯は、実に身体に染みる…
湯口からほのかに鉱物油臭がまたいい…
まさか埼玉県で、これ程の湯に浸かれるとは…
恐るべし埼玉東部温泉郷(勝手に命名)の実力!
温泉に満足したところで、修行中のサ道へ。
サウナは、3人入ったらいっぱいの狭さ。
一応テレビも設置してありましたが、これはおまけで作った感アリアリで少し残念。
でも狭い分温度はかなり熱めで、かなり汗が出ます。
そしてお決まりの水風呂へ。
井戸水が蛇口からドボドボかけ流しで、確かに冷えてます。20度ということですが、井戸水なので体感温度低いかも…
ゆっくりとレッツ水風呂!
首まで浸り、キーンときました!
これはクセになりそう。
水風呂も少し狭いですが、皆さん譲り合って浸かっていました。
こうした湯めぐりを2時間ほど楽しんで、未練を感じつつ、お風呂をあとにしました。
平日とあって子供も少なく、何よりも客層が、いかにも湯治って感じで良かった。
たまに学生が騒いでいたりすると、お湯が良くても台無しになるので、ここは大人の温泉だなぁ…
こじんまりした休憩室
お約束のコーヒー牛乳を飲んでから、2階の休憩室へ向かいました。
リクライニングチェアが20台くらいで、やはりこじんまりした感じは否めません。
隣の仮眠スペースは、コロナ対策で、閉鎖中でした。少し眠かったので、これは残念。
リクライニングチェアで少し休んでから、お土産に埼玉県産のキュウリの粕漬けをチョイスしてチェックアウトしました。
口コミ
他の利用者の方がどのような感想を抱かれているのか、調べてみました!
前に比べたら温泉の濃さは薄くなったように感じますが癖がなくなったと考えれば良いと思います。
母が足が突然動かなくなった時に病院では全く治らずでしたがここに毎日通ったら
数ヶ月ですっかり良くなりました。
後遺症もなく今も普通に過ごしています。
→湯治目的と思われる年配の方もチラホラ。本当に泉質が良いんですよね~!
また行きたくなる所ですね。
→片足でリタイヤしてしまった熱湯を楽しめる方が…次こそは…
→ゆったり湯船につかって免疫力UPが期待できそうですね。
コロナ対策について
2020.05.31現在の情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。
「安心宣言」のお知らせ
当温泉ではお客さまに安心してご利用頂くため、埼玉県の『彩の国「新しい生活様式」安心宣言』の取り組みに協賛しております。
「短縮営業」のお知らせ
当館は緊急事態宣言措置に伴うコロナ感染拡大予防の観点から5月7日(木)より当面の間、
平日・土日祝8:00~22:00 短縮営業をさせて頂きます。
「お食事処営業時間変更」のご案内
当面の間以下のように短縮営業とさせて頂きます。
平日11:30~21:30(LO21:00)
土日祭日11:00~21:30(LO21:00)
(入浴回数券の有効期限延長について)
コロナウィルスの影響のため、有効期限を延長致します。
2020年3月1日以降に期限を迎えるものは2020年9月30日まで有効
〈感染症予防について〉
当館での感染症予防の取り組みは以下の通りです。
・館内の空気を入れ替える為、換気に努めております。
・閉館時に館内のアルコール噴霧消毒を実施しています。
・館内入口に次亜鉛素酸水による空間除菌を実施しております。
・館内入口に設置しているアルコール消毒液は交差感染防止のため、ノンタッチ・ディスペンサーを使っています。
・お客様対応を行う従業員はマスク、手袋、ゴーグルを着用しております。〈食堂従事者においては特に手袋の着用を徹底しております。)
・食堂内にもアルコール消毒液を設置しています。
・脱衣室、ロッカー、取手、トイレ等の消毒を頻繁に実施しています。
・貸切部屋はご利用毎に室内、リモコン、テーブル、取手、トイレ等の消毒を実施しています。
・トイレは適宜、次亜鉛素酸ナトリウムによる消毒を実施しています。
・整体・あかすりは、施術毎に消毒を実施しています。
・当館の従業員は以下の症状がある場合、出勤せず会社に報告の上、自宅待機としています。
・体温が37.5℃以上
・咳、咽頭痛、倦怠感、味覚・臭覚障害がある
・2週間以内に、新型コロナウィルス感染症の患者、あるいは同感染症が疑われる人と接触した
お客様へのご協力のお願い
以下のいずれかに該当する方はご来館をご遠慮願います。
・37.5℃以上の発熱や咳などの風邪の症状
・この2週間以内に新たに出現した、咳、咽頭痛、倦怠感、味覚・嗅覚障害のいずれかがある。
・2週間以内に新型コロナウイルス感染症の患者あるいは同感染症が疑われる人と接触した。
ご理解の上、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
まとめ
いやはや、正直、お湯自体は文句の付けようがなかった。
くろたまの経験では、暫定埼玉県No.1と言えるでしょう。
しかし、店舗が狭くて、食事もフツー。設備もショボい。
こじんまりして、お風呂以外に「おこもり」できないのが、評価の分かれるところかも。
一応、貸切風呂と休憩室(5部屋)もありますが、3時間4200円(別途入館料が必要)と、なかなかの値段で、地元民はあまり使わないようです。
そうか、ここは埼玉県の湯治場と割りきれば、実に素晴らしい温泉。
神経痛や冷え性など持病のある方や、泉質にこだわる温泉マニアには、かなりオススメです。
都心からの鉄道交通アクセスも良くて、私(くろたま)もリピーターになりそう。また行きたい
なー。
店舗情報・アクセス・料金・営業日・営業時間
- 店舗名
- 百観音温泉
- レビュー評価
- ★★★★☆(4)
- アクセス
- 〒340-0206
埼玉県久喜市西大輪2−19−1
- ホームページ
- http://100kannon.com/
- 電話番号
- 0480-59-4126
- 営業時間
- 平日8:00~23:00 土日祝日 6:30~23:00
- 定休日
- 毎月 第3火曜日(祝日の場合は翌日)
- 平日大人料金
- 800円
- 休日大人料金
- 850円
- 料金メモ
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