荻窪駅の超駅近に人気の高い温泉
荻窪駅はJR中央線・総武線と東京メトロ丸ノ内線との両方を利用でき、新宿まで10分、東京駅まで25分ほどと利便性の高い駅である。
駅周辺には店が多く、さらに関東バスや西武バスも充実しているので、買い物に困ることはまずないだろう。
荻窪といえば、東京で有数のラーメン激戦地とイメージする人も多いかもしれないが、実はそれだけでない。
駅前にはやきとりやカレー店などラーメン以外の飲食店も多く、非常に多ジャンルで、個人店とチェーン店のバランスもよいのが特徴だ。
外食には困らないどころか、どの店で食事するか迷ってしまうほど。
また駅前には交番があり、警察によるパトロールもよく行われているため、比較的治安も良く、子育て中のファミリー層が多く住んでいる土地である。
そんな住みよい荻窪駅で、しかも超駅近に、人気の高い温泉があるらしい。
確かにネットなどの前評判はよかったが、さて、どうだ?
Contents
イケてる外観。イケてない館内。
外観と入り口はオシャレなのに……
西口を出て徒歩3分。
パチンコ屋とゲームセンターが立ち並ぶ商店街にあって、外観、入り口はスマートで余計な装飾がなく、むしろ目立たない。
落ち着いた雰囲気で好印象である。
荻窪というのに、妙なおしゃれ感があって、これは「なごめ」そうだ、と期待が高まる。
さて、入り口から入ると、これまた雰囲気の良い下駄箱。
下駄箱の鍵は客持ちなのでなくさないように注意。
ここまでは良かった。
が、入館して雰囲気は一転。
えー、
この閉塞感はなに?
急に別次元に来たような感覚である。
ハロウィンということもあって、店内はその装飾もあってか、いや…もともとごちゃごちゃしているな、これは。
うーん、なんて表現したらいいのか。
あちこちに手描きの張り紙があって、所帯じみた、というか、大衆的なかんじ。
外観との差にびっくりしてしまう。
だれか、なんか言ってあげなかったのか。
こんなとりとめもない雰囲気、どこかで見たような…?
まず館内全体の様子からレポートしていこう。
前身は「ゆーとぴあ」という施設で、これを居ぬきでリニューアルしたらしい。
ゆーとぴあ自体がかなり年季のはいった施設で有名だったようだ。
リニューアルによって綺麗に生まれ変わったか、と思いきや、どうやらさして変わっていないようだな。
設備の問題ですべて綺麗に、とはいかないのはわかるが、もう少し何とかならんものか。
せっかくエントランスを綺麗にしても、中に入ってこれではがっかりだ。
かなりの年季、っていうか、すごい年季。
熱海あたりにありそうな、昭和の香りそのままの古くさい旅館。
フロントも窮屈で、癒しを連想させるような開放的な空気は全くない。
しかし、会計はクレジットカードやSuica等に対応していて、館内の自動販売機・飲食やリラクゼーション利用もロッカーキーで管理されている。
後述するが、ここのロッカーキーの仕組みは一見さんには、非常にわかりにくいので、
入館手続きを終えて、あとは脱ぐだけと、気を緩めてはいけない。
とはいえ、システム面だけはしっかりと流行に追い付いていて、館内の古くささや田舎臭い雰囲気とのギャップがおもしろい。
移動がしんどい!利用者に全然やさしくない造り
もう一つ特筆したいのは、建物の造りである。
ここまで立体的なのもめずらしい。
江戸遊もこんな感じだったが、こちらはまずお風呂をつくって、
空いたスペースに岩盤浴とお休み処をつくったという感じで、
とにかく立体移動がしんどい。
地下1階から5階までの上下階を階段で行ったり来たりしなければならないのだ。
おまけにエレベーターは1つだけ。
なごむ、というより鍛えにきたような気にさせられる。
どの階に何があるのか、いちいち館内図を確認する作業もストレスだ。
帰りとお客と在館のお客が窮屈にエレベーターで一緒になるのは、どうかと思う。
上下移動といい迷路的要素といい、高齢者には厳しいものがあるんじゃないか?
狭いのに人が多いのもまた煩わしい。
入り口から不安がつきまとう、薄暗い雰囲気の風呂
蘇る過去の嫌な記憶、そして幅の狭すぎるロッカー
これはないだろうというお風呂の入り口。風呂の階は薄暗くて、印象が良くない。
ここ一番、館内でもワクワクしなければならないポイント。
なのに、この薄暗さ。ここは、威勢よく景気よく仕上げてもらいたい。
しかし、
どこかで感じたことのある、入り口のこの妙な、殺伐とした放置された雰囲気。
これは…。
はっと思い出した。
そうだ、まねきの湯に似ている!
それに古代もこんな感じだったよな…?
期待感は一瞬で不安感に変わった。
嫌な予感しかしない。
次に驚かされたのはロッカーである。
えーと、狭すぎない?
今どきの縦型ロッカーではあるが、コートをいれたら他は入らないほどの幅の狭さだ。
冬着をいれることを考慮して、箱型より縦型にしたのだろうとは思うが、幅がなければ何の意味もない。
ここまで薄い幅のロッカーは初めてだ。
真冬なんかは、利用者はいったいどうしているのか。
荷物のない近隣住民しか来られないじゃないか。
また、キーも変わっていて、初めて見たタイプのものだ。
カードタイプで、でかい穴が空いている。
そういえば、美しの湯も、こんな感じのキーだったかな。
互いに近隣だが、この地場じゃこれがスタンダードなのか?
初心者にはやさしくないが、このキーを採用した当初は最先端の宿命か、これが主流になるのか、と、メーカーは考えていたのかしら。
そう思うと切ないというか、悲哀を感じる。
さて、ここでロッカーキーについて、説明をしたい。
入館時の受付では、カードキーなるものを配布され、それをロッカーに刺す。
するとロッカーに事前にささっていた、ロッカーキーが、外れるようになり、
それを身に着けるというわけだ。
ただ、これ、初めてみたときから、どうも釈然としてなくて、違和感がある。
というのも、館内での決済はこのロッカーキーで行うのだが、内容は磁力式かNFCでの照合だ。
ということは、
ロッカーキーごと、SCANしてコピーしてしまえば、他のロッカーキーで、決済できてしまうのでは?
NFCは双方向で暗号化方式があるので大丈夫だろうとは思われるが、他の温泉では念のためそこを警戒して、ロッカーキーを都度配布にしているのだろう。
ここはテクノロジーを信頼している証なのだろうか。
こっそり言ってしまうが、ロッカーキーのシステムはザルに近い(ようなところも多い)。
一番まずいのが、あの都内最高峰といわれる、さやの湯だ。
下駄箱のカギに添付してあるバーコードによる決済なので、事前にコピーして印刷しとけば、他人のバーコードで…そのなんだ…ということだ。
よい子も悪い子も決して真似ないでほしい。
別の機会にこのあたりは、掘り下げてみたいと思うが、どなたか、ご指摘・ご指南頂ければ、幸いである。
というのも、友人が上野のとある店舗で被害にあって大変な目にあったので、どうにも警戒せざるえない。といって客の立場ではいかんともしがたいが、せめて貴重品専用ロッカーの配備と積極的使用は必須ということだろう。
やっぱりか。狭さや設計の悪さは浴場でも変わらず
湯船・浴室にいたる通路はスロープになっているが、段差も多い。
配管の都合だと思うが、ここまでアスレチックにしなくても良いのではないか。
おじいさんが入ってきたが大変そうだった。
その通路には冷却飲料水とコップが置いてある。
最近の温泉では冷水機が設置されていることは多いが、コップが備え付けてあるのは珍しい。
ゴクゴクと飲み干したい者にとっては大変ありがたい。
しかし、みなさん、飲むね。
この飲んだ水の量でサウナで滞在できる時間が決まるとはいうけど…
みなさんが大量に飲むので途中でコップがなくなっている時があるが、補充はすぐにされているようだった。
洗い場は、パーテがありゆっくり洗えるが、室内のいたるところに2個3個と散らばっていて、個数確保に苦労がうかがえる。
混み合っていれば、並んで待つ必要もありそう。
おもしろいとは思うが、まるで銭湯みたいだ。
風呂の古さもあるが、このようにギューギューにつめこんでしまうと、窮屈な感じでリラックス感がまるでなくなってしまう。
比べてはいけないが、あの志楽の湯の広々感を、思い起こさざるを得ない。
メインの風呂は超高濃度炭酸泉と露天の天然温泉
さすが「超」高濃度炭酸泉。名前と評判の良さに偽りなし!
室内のお風呂は、高濃度炭酸泉・ジャグジー・ジェットバスと水風呂がある。
ここの評判は高濃度炭酸泉らしいので、まずはこちらに入ってみる。
確かに、なかなかの濃度だ。
「超高濃度炭酸泉」と謳っているだけのことはある。
きめ細やかな泡がシュワシュワと肌の表面に付着して、濃度のせいかぬるっとした感じがする。
保湿力は通常の湯の3倍あり、この細かい泡が毛穴に詰まった老廃物を取り除くらしい。
(老廃物と聞く、ちゃんと濾過循環させているよねと、そっちが心配なってしまう。)
美肌効果を求める女性に評判だというのも頷ける。
血行促進効果も、5分で通常の風呂の4倍というから驚く。
高濃度炭酸泉は、湯をかき回さず、ゆっくり静かに入るのがルールだ。
みな浴槽内でピクリともせずにじっとしている。
温度はぬるめで、長時間浸かっている人がほとんどなので、なかなか場所が空かない。
浴槽もかなり狭いから余計だ。これはもっと広くしてくれ。
ここの一番の売りなのにこれでは。
……と思うところだが、ははー、なるほど、小さい湯舟だから高濃度ができるんだ、
大きい湯舟だと水量も多いから、高濃度にするのは大変だ。
では、単純に高濃度といっているところはそんなに広くないといっているようなものなのか。…面白い。
しかし、二酸化炭素排出とか問題になっているけど、こういうのはよいのかしらと…もっとすまない気持ちで入るべきなのか?
この湯船に入るまでの段差もどうにかならないものか。
またしても高齢者に優しくない仕様である。
しかし、この高濃度炭酸泉の血行促進効果は評判通りで、入浴後は全身がポカポカ・ツルツルになる。
さすが「超」高濃度炭酸泉。
超高濃度炭酸泉とは
一般的な基準値の約1.3倍の炭酸ガスを含有している、超高濃度の炭酸泉風呂。
シュワシュワした気泡が皮膚表面の古い角質や汚れを取り除き、やわらか肌へと導きます。
血行促進と代謝向上作用に優れた炭酸泉は、エイジングケアとしての利用もおすすめです。
効果を十分に発揮させるため、お湯の温度は常にぬるめ。
お肌に優しい弱酸性なので、長時間安心してお入りいただけます。(公式HPより)
どこにでもあるそれ、といった感じ。
水風呂の温度は17℃。
しかし、水口からの水流の勢いが強く、静かに入りたい初心者にはつらいものがあるが、強烈にまぜた方が、ムラもなくなるので、プロにはおススメだと思う。
天井は低く圧迫感があるが、換気がよくされているせいか、低天井特有の浴室のもやっと感はあまりなかった。
しかし、全体的に照明が悪い!
ここまで来て申し訳ないが、ファーストインパクトの良し悪しは、照明によるところも大きいのに、残念だ。
昭和な感じの白色蛍光灯がメインで、さむざむしい。
これもリニューアル時になんとかならなかったのか。
これはない!露天の情緒を失くす劣悪な設計
さて、体もあたたまってきたので、武蔵野温泉と名前がつけられている露天風呂に行こう。
この武蔵野温泉は、ナトリウム塩化物泉で黒湯の天然温泉だ。
別名「熱の湯」との呼ばれる、保温性の高い良泉である。
例にもれず、ビル型風呂の露天なので、開放型の浴室にバルコニーがついているだけのものだ。
荻窪駅が真横のため、電車の音がかなり鮮明にとびこんでくる。
ただこれは、個人的にはあり。
夜汽車の音を聞きながら入るというのは、ここでしか味わえないな、と、むしろ感慨深くなった。
都心部ならではの、露天の楽しみ方である。
しかし、この露天風呂のスペースにも、なぜか洗い場が設置されている…。
あのね!
気持ちよく入っている脇で、ガシガシ洗われたら、全然ひたれないよ!
設計した人、一体なに考えてんだ!!!
湯船と洗い場を分けているのは、その距離以上に意味があるのに全然わかってない!
ここは許せない!
……少し荒ぶってしまったな。
気を取り直そう。
うーん、心が乱れたら、することは1つ。
サウナである。
荒ぶる心を鎮めてくれる、3種のサウナ
サウナは、ドライサウナ・ミストサウナ・スチームサウナの3種類。
まずは、低温のミストに行ってみる。
古さはさて置き、悪くはないんだが、ミストサウナに入るといつも思う。
設計がわるい。
埼玉スポーツセンターほど酷くはなかったが、上から落ちてくる滴が気持ち悪い。
このような形にできないものか。
最悪の構造。しずくにあたれといあわんばかり。座っていると自動的にしずくが集中的に降ってくる。埼玉スポーツセンターがこれに近い。
これも悪い。確率的に上記の例の半分になるが、不快。
これも、結局どこに落ちてくるかわからないので、たまに落ちてくるのが不快。
これがいい!。部屋の中央に落ちてくる分には、だれにも被害がない。爽快!
やれやれ、ミストサウナで、頭まで熱くなってしまったが、水風呂でリセットして、遠赤外線のサウナへ。
遠赤外線のサウナは、空間がややあって、温度は高め。
ただ、空間が広いと気が緩むのか、客層がいけないのか、しゃべりまくる人が多い。
また、TVがあるのも難点。
しかも音量がでかいときた。
もう!ここまできて、クイズ番組とか、見たくも聞きたくもないですよ!
狭いが、ボナサウナというのが一番よかった。
ここもTVが気になるが、ぐっとくる熱さだ。
やはりサウナはいいと実感する。
その他
サウナのおかげで精神の乱れも安定したようだ。
露天の件は忘れて、休憩所に行ってみる。
B1Fの大きな休憩所はTV付きのリクライニングシートと、コワーキングスペースも少しある。
ここだけ改修したのかな、と思うくらい、ちょっと近代的だった。
外観といいこのスペースといい、やはり改修の優先度を大いに誤っている。
B1Fだけだが、充電用コンセントがあるのは親切だ。
無料WiFiはB1F・1Fとも完備している。
1Fと2Fには女性専用ルームもあった。
スタッフさんの対応は、全般的によかった。
個人差がなく、よく教育されているという感じ。
岩盤浴も評判のよう。
平日は、時間無制限出入り自由(土日祝は時間制限制)で、スパ専用着+タオルレンタル付で450円で利用できるのだから、そりゃあ人気も出るだろう。
しかも充実していて、 3Fの1部に岩盤エリア、5Fはワンフロア全てが岩盤浴とヒーリングエリアになっている。
「黒龍」ではスタッフによるロウリュウサービスがあって、こちらも評判のようだ。
その他、女性専用エリアやカップル利用できるエリアなど、多彩な種類を楽しめる。
リニューアルって、お風呂じゃなくて岩盤浴のほうに力を入れたんだな。
こんな感じでヒーリング系もよさそうだから、次回は岩盤浴と食事も、と思っていたのだが、リピートするのは微妙だ。
全体的な料金も、風呂や施設の古さを考えるなら高い。
しかし岩盤浴や漫画コーナー、休憩所など1日楽しむつもりで来るなら、立地の良さもあって妥当な料金か。
あとは、駅近で夜通し営業というのも強みだろう。
ホテル代わりに利用出来て、終電難民にはありがたい施設だと言える。
ホームページについては至って綺麗だが、実際はもっと雑多な感じだ。
よくある3割減の法則といった感じか。いや6割か。
皆さんの口コミ
岩盤浴・レストランを除いた、風呂と館内の印象についてのGoogle口コミをピック。
まとめ
なごみの湯に、なごみはなかった。
駅近の喧騒からは抜け出せないばかりか、使い込まれたくたびれ感がすごい。
綺麗さを求めるなら、別のところにいった方がいい。
わざわざ足を運ぶ気にはならないが、荻窪での変わった飲み会を開きたいなどには、その利便性からいっても有用だろう。
店舗情報・アクセス・料金・営業日・営業時間
- 店舗名
- 荻窪天然温泉なごみの湯
- レビュー評価
- ★★☆☆☆(2)
- アクセス
- 〒167-0043
東京都杉並区上荻1-10-10
- ホームページ
- https://www.nagomino-yu.com/
- 電話番号
- 03-3398-4126
- 営業時間
- 10:00(土日祝9:30、毎週月曜日は10:30 ※祝日等で変更の場合あり)~翌朝9:00 ※最終入館受付8:30
- 定休日
- 年中無休
- 平日大人料金
- 1,980円 館内着
- 休日大人料金
- 2,180 館内着
- 料金メモ
- 有り。深夜1:00(25:00)以降、入館料に1,380円が加算
- 【お店から】
- 武蔵野から汲み上げた黒湯の天然温泉は、温浴効果に優れており、体が大変よく温まります。
お肌に優しい湯触りで、どなた様でも安心してご入浴いただけます。
温泉以外にも、話題の高濃度炭酸泉やジェットバス、温冷交代浴に欠かせない水風呂など数種類のお風呂がございます。
疲労回復やリフレッシュには高温ドライサウナ、リラックスにはスチームサウナがおすすめです。
なごみの湯で心休まるひとときを。つかの間の温泉気分をご満喫ください。
- 近隣店舗
- この店舗から5Km圏内 (地図で見る)
高井戸天然温泉 美しの湯 (2.2km)東京都杉並区の他のお風呂一覧
高井戸天然温泉 美しの湯
うゐらうの記事
うーん、古い以上にここ不潔な感じがすごいですね。
タオルやカーペット、タオル…全てに清潔感がないです。