川俣駅は周辺事業と温泉掘削事で、温泉の湧出を確認した。ホテル事業で活用する。
掘れば湧出、掘れば温泉…が
あたりまえになった。日帰り温泉・天然温泉・スーパー銭湯の浸透は掘削技術の進化だ。
日本の誇る温泉文化。利用用途は宿泊から日帰りが増加。
本当の温泉って何だろう。温泉の定義と乱立化について湯めぐり視点を書いてみました。

温泉の湧出を確認　明和・川俣駅周辺整備事業

温泉の湧出を確認　明和・川俣駅周辺整備事業https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/268087（上毛新聞）

東武伊勢崎線川俣駅周辺整備の一環となる温泉掘削事業で、群馬県明和町や民間企業が出資したまちづくり会社「邑楽館林まちづくり」は、温泉の湧出を確認したことを明らかにした。湧出量は毎分約130リットルで、2022年開業予定のホテル内の温浴施設などで活用する方針。

同社によると、泉質は弱アルカリ性のナトリウム塩化物温泉。塩化物イオンやメタケイ酸が多く含まれており、保温効果や美肌効果が期待できるという。近隣の温泉とは泉質が異なり、差別化が図れる。泉温は41.7度だが、温度が上がる可能性もあるとして、再検査を検討している。

移住の促進や子育て環境の充実、地域経済の活性化などにつなげようと、同社は同駅の東口に医療ビル、西口にホテルを建設し、両施設と駅をペデストリアンデッキでつなぐ事業を進めている。ホテルなどの付加価値を高めるため、温泉の掘削を進めてきた。

日帰り温泉とスーパー銭湯・温泉の定義って緩い

単なるぬるま湯でも温泉と認定できる？
「温泉法」によれば、
・源泉温度が25度以上
・19の特定成分のうち1つでも既定値に達している
ことが温泉の条件だ。
地下増温率により、地中を100メートル掘るごとに地下の温度は2～3度ずつ上昇する。
つまり1000メートルも掘れば、そこから湧き出る地下水も25度以上になる
したがって、２５℃以上であれば、成分はなくと
も温泉となります。
逆に温度はなくとも、特定の物質がある濃度以上、含まれていれば温泉だ。

掘削技術の発達で地下深くの源泉に容易に到達できるようになり、90年代からのスーパー銭湯に代表される都市型温泉ブームだ。
アクセス・リーズナブル・演出も集客の後押しにもなっている。
さらにライバルとして登場してきた『日帰り温泉』に対抗するため、温泉の導入も行った。現在では約6割のスーパー銭湯が温泉を使用している。
看板を見て欲しい…スーパー銭湯=日帰り温泉=天然温泉が随所に見られる。
垣根がなくなったのもおわかりだろう。

乱立する掘削天然温泉。関東はしょっぱい、塩素系が多い理由。
日本の深層熱水資源は、ほとんど場合、新生代後期の堆積盆地 （大きな平野や盆地） に分布しています。火山から離れた平野でもボーリングで温泉が掘り当てられるのは、こうした深層熱水資源を利用しているから。
これも立派な天然資源だが、実は「これが本当に温泉? 」と疑問もあるだろう。

『本当の温泉って』自噴からくる温泉なのか？
日本人が文化として育んできた温泉とは、地中から自噴し、その過程で溶け込んだ様々な成分により、入浴するものに多くの健康効果をもたらす「大地の恵み」とされている。

個性ある温泉は温泉分析書で読み解ける。
温泉がどんな温泉なのかを知る唯一最低限の情報開示。
温泉の履歴書ともいうべき温泉分析書。
泉質などを分析した証明書を脱衣所などに掲示しなければならないのですが、いまだ徹底されていない施設がある。

温泉志向は日帰り温泉利用に反映される一方、温泉らしい温泉への要望も根強い。
優れた自然湧出泉などの温泉地は過疎地に多いので、深刻化に輪もかかる。
本物の温泉とは？掘って湧出すれば…定義上間違いなない。

過ぎたるは及ばざるが如し。

温泉についての考え方は人それぞれだけだが、きっかけになってほしい。